劇場版仮面ライダードライブ・サプライズフューチャー

戦隊・ライダーの夏。今年は「ベルトさんが敵だった」という衝撃的なアオリ(とチェイスが免許を取りに行くお話)で劇場公開まで引っ張っていく、という力の入れよう。このアオリか成功しているかはともかく、満足度の高い一本となりました。

ロイミュード犯罪と今日も戦う進之介、しかしそこに未来の息子と名乗る青年・泊エイジが現れ「クリム・スタンベルト=ベルトさんは人類を裏切る危険な存在である」と警告。それに呼応するかのようにベルトさんは突如として自身の制御ができなくなり暴走、タイプフォーミュラのトレーラー砲が暴発して負傷者多数の大事故招き、進之介はエネルギー施設破壊という容疑で指名手配をされることに…という冒頭。

基本的にストーリーラインはWを踏襲した「絶望的な状態」→「変身もできぬまま倒される主人公」→「切り札がその手に!」→「最終決戦へ・新フォームも!」という流れ。目新しさはないのですが、今回のストーリーに大きく影響しているのが「絆」の存在。
進之介と、今回敵という扱いを受けるクリムの絆。未来の息子というエイジとの絆。剛・チェイスという一枚岩ではないけれど同じ目的で結束したライダーチーム同士の絆。そして警察・特状課のメンバー達との絆。進之介を信じ続けきて、それに応えてきた関係がボロボロになりながらも前に進む力を与えてくれます。ダブルよりもさらに踏み込んだ描写になっており、こういう関係に弱い私としては評価せざるを得ません。特にクリムと進之介の二人がどうパートナーシップを築いていったのかが解るシーンが今回入っていて、ここでのベルトさんのセリフ回しは必見。


犯人のトリックとしてはそれほど複雑なものではなく、「あぁ、そうだろうね」というようなものでした。その分主人公の魅力を最大限に生かしたことでメリハリのあるシナリオになったのではないでしょうか。個人的には傑作と言われるダブルよりも評価が高いです。


それと、御披露目興業となる仮面ライダーゴースト。見た目以上に特徴的なアクションは度肝を抜かれます。