思い出した頃に書き始めてもダメだと思う

しかし何事もなかったかのように書き込むのも一つの方法。
ともかく映画です。昨年の諸々が影響して映画のスケジュールは雪崩が起きるようにどんどんズレこんで(あるいはweb公開で映画館ブチギレ)いって、3月は色々な映画が被りまくるカオスのような状況になりました。そんな中で見たのは三本、全部3/26公開のものです。さすがに詰め込むにも少し遠慮をしてほしかった。

まず「ガールズ&パンツァー最終章3話」。全6話だてで大洗最後の冬を巡っていくやつの3つ目。これも色々あって1年近く間が空きました。その間に同スタジオの「プリンセスプリンシパル」が一年遅れ、それも公開されたりして同時進行大変なんだろうなぁと思ったり。
こちらはネタバレ厳禁的な映画であるため、差し障りのない程度の書き方になりますが、サプライズをしつつも予想の範囲内というところ。この一年の中で想像していたのは「こういう流れだったら面白いよね」とか「こんなマッチアップがあったら」とか。その辺をしっかり実現していくという意気込みを見ました。そういうのが見たかった。
何より半年で「西住流を追われて出ていった西住」が完全に日本全国から追われる立場になっている、というのはまた格別な思いがありますね。


続いて「ゼロワンOthers 仮面ライダー滅亡迅雷」。年末年始公開だったREAL×TIMEから直接繋がるゼロワン最終章となるVシネ。敵役に仮面ライダーザイアことリオン・アークランド(ZAIAのCEO)、新フォームとして仮面ライダー滅亡迅雷・マスブレイン。
こっちはというと…全体的に予想を裏切られました。毎回スピンオフVシネという作品はサブライダーを主人公にした短編的な意味合いで作られるもので、三連作でつなげていく形になっていたエグゼイドの「ブレイヴ&スナイプ」「パラドクス&ポッピー」「ゲンムvsレーザー」なんてのもありましたが、基本一つの作品で話は終わっていたわけで。
…が、今回は二回キレイに終わったはずのゼロワンをさらにこじれさせる、唖然とするようなラストにくぎ付けになりました。事前に後編になる映画の公開発表を知らされていなかったら、精神的におかしくなっていたんじゃないかと。これが令和のライダースピンオフかぁ…
とはいえ、単純な善悪の戦いからイデオロギー同士の衝突+それを手繰り続けて火種を起こす悪意との闘いに変化させていったゼロワンらしい展開であるとは思います。単純に全員がそれぞれ穏やかに終わらせるのでは面白くないし、新たな展開を起こすのであれば、これぐらい…とは思うんですけど、その辺の話をVシネの範疇でやって良いものなのでしょうか。それもニチアサ特撮で。


最後「モンスターハンター」。うん、問題児ですね。
2010年代カプコンの看板商品を映画化。ベースはモンスターハンターワールドとなっております。監督は2000年代カプコンの看板商品を映画化したポール・WS・アンダーソン。主演は同じくあの映画のミラ・ジョボビッチ(監督の妻)。
もう嫌な予感しかしないわけですよ。バイオハザード1作目に関しては面白いなりにあんまりいい思い出がなくて、出来も大体想像がつくし見るべきか迷いに迷いました。結局見ました。


で、実際に見た感想でありますが、意外としっかりしてた。ただし想像の範囲内で。
ポール監督、「モータルコンバット」の頃からなんですけど、予想を裏切らないんですよ。期待半分で行って50点の出来を見せられるし、モンスターの映像美はスゴイけど、なんやかんやで一発で吹っ飛ばしたりするからあまり役に立っているのか立っていないのかわからない。
とはいえ、ディアブロスリオレウスの半端なさというのはガンガンに伝わってきました。常日頃3桁はくだらないレベルで狩ってきた我々ハンターではありますが、一般的な兵器では歯が立たないヤバいやつだったんですねえ…という感じ。
そこ含めてバイオハザードの映画を見ている感覚。モンスターのチョイスもパニック映画のそれ(ネルスキュラは蜘蛛系映画、ディアブロスはサメ映画に近いか)、人類の叡智も届かず逃げまくる。ある意味で、バイオをSF絡めずにやっていくとしたらこれぐらいがちょうどよかったんじゃないでしょうか。もしくはディノクライシス。要はモンハンという枠だけではなく、オールカプコンに近い感じの雰囲気の映画なんです。バイオハザードディノクライシス、そしてモンハンと。全部混ぜに混ぜてやんわりと楽しめるエンターテイメント作が今作ってところでしょうか。


で、ハンター目線で映画の感想を述べるとしたら、とにかくモンハンらしい爽快感がまったくない。根がモンスターパニック映画なので逃げて逃げて人類の叡智アタック(またはハンターさんの一撃)で終わるというパターンが多め、音楽も抑揚がないので「らしさ」が足りない。大型モンスターを狩る際も弱点一点突破を狙いがちで、有効打を重ねつつ怯んだところを一気呵成…みたいな戦術感は特になし。
これは個人的な感覚ですが、たぶん監督のモンハン体験そのままなんじゃないかなぁ…と。いくらかモンハンを遊んで、とにかく厄介に感じた・モンスター映画に映えそうなモンスターを配置して、クエスト自体も操作にてこずって遊びづらさが目立って映画にフィードバックされたんじゃないかというイメージ。モンスターの素材も凄く良くて、俳優もミラ・ジョボビッチトニー・ジャーとスターどころをそろえたのに、なんかもうちょっと立ち回りとか気にしてほしかった。
そのアクション面に関しては結構良かったです。ハンター同士で殴り合ってゴロゴロ転がってるのはどうかと思いましたけど、有名どころをそろえているだけのことはあります。モンスターのモデルも美麗で、部位破壊やダメージ表現もお見事。ここはモンスター映画としてかなりの加点となりました。採用されたモンスターのチョイスはやっぱりヘンですけど。


で、総じて結局50点。加点減点全部予想の範囲内。下げようもないし上げようもない…「午後ローで映画見てる人が面白がりそう」と言われていましたが、この50点的な映画が集まるのがちょうどその放送枠で出て来るからでしょう。個人的には日テレの夜中にやっている「映画天国」枠だろうと思うのですけど。
好きなゲームなだけに、「名探偵ピカチュウは」ぐらいのはっちゃけ方をしてほしかったんですけど、レジェンダリー制作ではないからそうもいかない。むしろレジェンダリーにモンハン映画作ってほしかった。モンスターバースに入れていいから。