スーパー戦隊×仮面ライダー×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z

ああスーパーヒーロー同士でなぜ戦わなきゃいけなのか!というような映画第二弾。
そもそも守る世界も戦う理由も何もかも違うヒーローを一気に集めるという無理なコンセプトをしているわけで、今回は前回の反省点を活かして、メインキャラをライダー=晴人、戦隊=ヨーコ+鎧、宇宙刑事=撃に絞るという少数精鋭で小回りのきいた内容になっています。
宇宙全体で起こっている魔法の暴走に銀河連邦警察が仮面ライダーウィザードを騒動の元凶と断定。十文字撃=ギャバンGが討伐に向かうもあっさり和解。一方宇佐美ヨーコは突然落ちてきた隕石を拾う…というお話。
ストーリー的には三者が絡み合うそこそこうまくいってる内容、ただ魔法の部分は騒動の下地にすぎず動いてるのは実質撃とヨーコの二人。そこで敵を見てみるとシャリバンの敵組織だった「マドー」と魔法の力でパワーアップした「スペースショッカー」のみ。戦隊勢の敵組織がストーリーに絡まないという、なんだかおかしな状況になっています。なので結果的にショッカーvsゴーバスターズというなんだか珍しい対決構図になっています。
特に見どころになっているのは相変わらずお祭りに強い伊狩鎧。実質彼が顔を合わせれば殴り合う喧嘩神輿のような連中(ウィザード、ギャバンG、さらに素面でバトルをしはじめるキョウリュウジャーまで)を仲裁しつつ、心が折れた撃を殴り飛ばし、ドラマパートの見どころをとにかく作っていきます。ヒーローの王道をとにかく貫くような言動が多いこともあって、とにかく脱線しかけるストーリーを上手く戻してくれるという効果はとにかく素晴らしい。ゴーカイジャーの終盤は実質彼が主役めいた部分もあったり、扱いやすいのでしょうか。
ただし、ストーリーにも穴はまだ多い。とくに宇宙刑事勢の扱いの悪さ。撃をメインにフィーチャーしているせいで烈=初代ギャバンが頭の堅い上司にしかならず、シャリバンに至っては撃と殴り合うだけ。シャイダーは…お察し。この辺りの扱いの悪さは多分来年やってもあまり変わらなさそうな予感がします。これだけヒーローが集まると、どうしても無理が出てしまうんですよねえ、どうにかならないものでしょうか。


アクションパートに関してはさすがに前回のような奇跡的ともいえる全ヒーローが終結するというシーンがないところもあってちょっと迫力不足。それでも美味しいところで丁度いいヒーローが駆けつけてくれるのはアリ。あとはそれぞれの陣営を越えた協力技がもうちょっとあれば良かったんですけど…。去年のみどころはまさにそれでしたから。
その分火薬量は半端ないぐらい。今まであそこまで熱いと思えるような爆破シーンをヒーロー映画で見たことがありません。
総じて言えば、去年のゴチャゴチャしながらこういうシーンが見たかったと言えるようなアクションと、無理の少ない今年のストーリーと、あともうちょっと一味加えたところが一番いい着地点なのかなぁという印象でした。来年は…あまり期待しない方向で。