シン・ゴジラ

12年ぶりの邦画ゴジラ復活。それも樋口・庵野という驚きのタッグをもって。
度肝を抜かれました。ここ最近の日本映画、特にSFというカテゴリにおいて何もかもが足りない状況で漫画原作をネタに上げては不入りで話題になってしまう始末。そんな日本映画界が待っていたのがこの映画でしょう。最初は庵野総監督と聞いて「できるの?」と半信半疑だったものですが、あの人ならではの遊び心にドッキリの仕掛け、さらにアツい展開とゴジラ以上に庵野作品だなという感覚に陥るほど。
つまりは、「初代ゴジラ」と「レジェンダリー版ゴジラ」、そしてエヴァをオマージュした作りなわけです。根底にはエヴァの緊迫感を実写でやってやろうというような(多分現代の人にはそれが一番見やすいのかも)気概と、初代ゴジラが持つ破壊と恐怖の化身という圧倒的な存在感、それらが「現実=会議室内での至極現実的な会話群像劇」と「虚構=ゴジラというフィルムの上にしかいない存在との戦闘」と二つの並行したストーリーラインをガッチリと噛みあわせています。熱のこもった演技もあって、日本映画もやればできるんだと脱帽。これは掛け値なしに凄い映画です。ネタバレを見ることなく、即映画館に向かうべきと言われるのが納得できるぐらい。