仮面ライダービルド・BE THE ONE

基本的に仮面ライダービルドは深く設定を掘り下げず、かと言って伏線はしっかりと張った上で丁寧に進めていくタイプの作品で、用意された素材は無駄にせずクレバーに、しかしシリアスになりすぎず。そんな感じでエグゼイドより気に入ったシリーズでもありました。
そんなこんなで映画。映画公開の2週前・45話直後からスタートする形で日本の新体制(ただし西都首相に化けたエボルトの息がかかっている)がスタート。が、この3人の知事はライダーのせん滅どころかダラダラ過ごし始めたエボルトすらにも叛逆。いつものようにゴチャゴチャした混戦をざっくりと戦兎が切り抜けていく話です。
ビルドTVシリーズ本編の笑いとシリアス・緩急ある流れはそのままに、飽きさせない作りで色々心配していたところが数分で吹っ飛んでいきました。エボルト討伐はまだにしても、大敵を前にして4人のライダーチームはどう立ち向かうか、見せ場もそれぞれにネタ・バトル・シリアスとしっかりと用意されていて安心。そして何よりも衝撃的なビルド・クローズビルドフォームの変身。ある意味で夏映画で一番インパクトがあったのではないでしょうか。
映画の根幹にあるのは桐生戦兎という人物の在り方。葛城巧が科学の力に振り回された末にブレていったように、今度は彼がヒーローという存在意義に振り回され、ブレていきます。それぞれの本質というのは同じところにあるのですが、戦兎はどうケリをつけていくのか。ビルド全体のテーマの一つともいうべきところにようやくスポットライトがあたってきます。

とはいえ消化不良気味なところも少々。ビルドはいつもそうなのですが、核心を付くところはいつまでもボカすように隠しながら進行していきます。いつまで経っても誰が・なぜ・どうやって仕向けたのかというのが分からない。エボルトの真意もさることながら葛城忍の行動意図などとにかく不明瞭な部分が多い。その上でネタバラシがどんどんと積み上げられて行って奇妙奇天烈な形の像が出来上がってしまってるような感じ。これが映画でも解決されないのだから困ったものです。TVシリーズは残り4話程度、ここで開示があるのか心配でなりません。

でもまあ、なんだかんだで色々あった末にラストシーンで6人が揃って街に出てるシーンを見て「あぁこんな平穏なシーンが見たかったんだ」って思えてしまうから、ビルド大好き。

仮面ライダージオウ DXビルドライドウォッチ

仮面ライダージオウ DXビルドライドウォッチ

今回は映画使用アイテムが一般販売されず、代わりに次期シリーズである仮面ライダージオウから「ビルドライドウォッチ」が先行販売。映画にも出てきますが、いろんな意味でインパクト大。
一応この時計らしきアイテムを使って各ライダーの能力を使うフォームチェンジをするようですが…。ベゼルを回すと年代とエンブレム・ライダーのマスクが切り替わって表示されるのはちょっと面白い仕掛け。