ジョジョの奇妙な冒険・ダイヤモンドは砕けない

ともかく映画です。ジョジョを実写化するにあたってやらなければならないこと。原作を忠実に再現するだけ無駄だということはこれまでに公開していった映画達が教えてくれます。重要なのはどれだけ妥協して、どれだけジョジョらしさを100%に近い形で保ちつつ、一見さんに配慮も忘れず4章の中の1章として映画を完結させるか。
無理難題には見えますが、それでも三池崇史監督は見事な手腕を発揮してくれたのではないかと思っています。限られた上映時間というリソースを効果的に使うために再構成を加え、それに合うようなアレンジ。CGや演出もこれまでの映画で使われたものをきっちりと使い切り、何よりも「ここがこうなるのであれば、じゃあ次はどうなるの?」とジョジョをずっと読んで内容なんていくらでも覚えてるなんて私たちのようなファンにすら新鮮な驚きを与えてくれるような驚きを与えてくれました。
「余計なことをして」と言われればそれまでになってしまうのですが、実写化アレルギーが酷くなっている昨今の中で、ここまで気を使って丁寧に作ってくれた作品はあったのでしょうか。十分すぎるほどの内容でした。
とはいえ言いたいことは山ほどあって、スペインをロケ地に選んだ意味が判らなかったりとか、設定にアレンジが加わった結果色々とキャラそれぞれに理解の及ばない描写があったりとか。それにあの男もやっぱり見たかったなあ…なんて。
ともかく「実写化なんて」と言って見ないままではもったいない!とりあえず見てから判断してほしい映画です。